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作成日:2023.09.05

どうなるGoogle検索!新しい検索体験「SGE」

どうなるGoogle検索!新しい検索体験「SGE」

SGE(Search Generative Experience)とは?

概要

※Googleが提供する最新の技術やサービスについての情報が発表される開発者向けのカンファレンス。SGE(Search Generative Experience)もこのカンファレンスで発表されました。

▼従来の検索結果一覧

従来の検索結果一覧

▼SGE実装後の検索結果一覧

SGE実装後の検索結果一覧

導入の背景は?

1. 検索体験における課題

従来のGoogle検索エンジンでは、ユーザー側で欲しい情報を想定し、「りんご 剥き方 簡単」のように、単語を区切って工夫して検索入力をするのが主流でした。
しかし、この検索方法だと検索に慣れていないユーザーが、想定した回答を得られないケースが多くありました。

2. 生成AI(ジェネレーティブAI)の急成長

従来の「与えられたデータに基づいて予測や分類を行うAI」は、一般の方々にとっては少し縁遠い印象があったと思います。しかし、 ChatGPT や Bard のような、「新しいデータや情報を生みだす生成AI」が浸透したことによって、AI(生成AI)が多くの人にとって身近で実用性の高いものとなりました。そして、これまでにもさまざまなアップデートが行われてきたGoogleの検索エンジンにも、ついにこの生成AIが導入され、“生成AIによる検索体験(SGE)”が実現しました。

ちょっとおさらい ~AIと生成系AIの関係について~

AI(人工知能)という大きなカテゴリーの中には、データを解析・学習し、その内容を応用して十分な情報に基づいて判断を下す「(1)機械学習」、その機械学習を発展させてより高精度な分析が実現した「(2)ディープラーニング」があります。そして、このディープラーニングの技術を更に推し進めて誕生したのが「(3)生成AI」になります。
これまでのAIは、学習したデータから最適な情報を提示する性質をもっていましたが、生成AIには、AIが学習し続けることで人が与えていない情報やデータをインプットし、AI自ら新しい何かを生み出す(=生成する)性質をもっている点がこれまでのAIとの大きな違いです。

SGE実装後の検索結果一覧
3. そして… “SGE” の登場!

SGEの登場により、これまではユーザーが満足する回答が得られなかった質問に対しても、 生成AIが質問の意図を汲み取り、ユーザーが求める回答をスピーディーに提供することが実現できると言われています。

また、SGEには、ユーザーが求める回答だけでなく、それに付随した情報を提供したり、追加の質問を促したりする機能も実装されており、これを活用することでユーザーが新しい視点を得ることが期待されています。
検索の形式も、単語の繋ぎ合わせではなく、会話文での質問ができるようになったことで、従来の検索エンジンを使いこなせていなかったユーザーも、満足のいく回答が得られる仕様になったと発表されており、SGEによって検索におけるユーザビリティの飛躍的な向上が見込まれています。

参考サイト
Google Japan Blog: 生成 AI による検索体験 (SGE) のご紹介
https://japan.googleblog.com/2023/08/search-sge.html
生成 AI の概要とその用途  |  Google Cloud
https://cloud.google.com/use-cases/generative-ai?hl=ja
生成AI | 用語解説 | 野村総合研究所(NRI)
https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/sa/generative_ai
生成AI(ジェネレーティブAI)とは?ビジネスを革新する新たな可能性|法人向け|ソフトバンク
https://www.softbank.jp/biz/solutions/generative-ai/

3、4つ目のリンクは、Googleのものではないけれど、生成AIについてわかりやすく&詳しく書いていたのでおススメだよ

どうやったら使えるようになる?

SGEの利用方法

SGEは、Search LabsにGoogleアカウントを登録することで誰でもすぐに利用できるようになります。

Google創立25周年。インターネットの巨人の歩みと未来
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シークレットモードや、GoogleにログインしていないブラウザではSGEの有効化はできないから要注意だよ

どんな活用方法がある?

公式サイトによると、現時点(2023年9月5日)では主に6つの活用方法が公開されています。

1. 新しいトピックや複雑なトピックについて簡単に理解

例えば、「ウクレレを習うかギターを習うか」や「フリーランスになる前に会社を設立するメリット」といった、人から聞かれると回答に戸惑いそうな質問であっても、SGEは素早く文脈を理解して回答してくれます。

2. 特定の質問に対してもスムーズに回答

例えば、「ウールのセーターから古いコーヒーの染みを取り除く方法」や「海外旅行を控えている時、パスポートをすぐに更新する方法」といった特定のシーンにおける質問に対しても、それそれの状況を理解した上で適切な回答を提示してくれます。

3. 融通の利いたオンラインショッピング体験を実現する

例えば、賃貸物件用にはがせる壁紙を探しているとします。その際に「キッチン用剥がして貼れる壁紙」と検索すると、このニュアンスから”簡単に剥がせるかどうか”がポイントであることをAIが理解し、それに応じた商品をリストアップしてくれます。

4. 画像や動画で理解を深める

例えば、「最小の猛禽類」や「ヨガのポーズのデモンストレーション」、「大理石の汚れの取り方」など、回答に際して実際のビジュアルを見せた方が理解しやすいとAIが判断した場合、検索結果にはテキストではなく画像や動画が表示されます。

5. AIを活用した概要をすばやく取得

例えば、「近くでランチを食べられる場所を見つけたい」といった、迅速な回答が必要な質問の場合、AI側ですばやく情報を提供できるよう、AIによる回答の生成速度を短縮する機能改善を実施しています。

6. ユーザーが興味を持った内容を深堀させる

SGEは ウェブ上の役立つ情報を探索するための出発点となるように設計されており、 AIが生成したコンテンツの横には、参照元リンクや参照した情報の更新時期が掲載されます。これにより、ユーザーは確実性の高い情報をより深く広く収集できるようになります。

参考サイト
3 new things you can do with generative AI in Search
https://blog.google/products/search/google-search-generative-ai-august-update/
How to use Google’s AI Search Generative Experience
https://blog.google/products/search/search-generative-ai-tips/

SGEによって考えられる影響は?

1. Webサイトへの流入数が減少する可能性がある

SGEによる検索結果はページの最上位に表示されますので、もしユーザーが、SGEによる検索結果の内容で十分な情報を得られた場合、さらにその下にあるWebページのリンクをクリックする可能性は低く、これにより流入数が減少する可能性があります。

流入数の減少を防ぐには、検索流入以外でのターゲットユーザーとの接点を作っておくことが大切です。
例えば、SNS運用、セミナーの実施、ホワイトペーパーの配布、メールマーケティングなどでサービスや商品の訴求を行い、自社サイトへのアクセスにつなげることで、流入数を維持することが可能となります。

ウェブサイト以外にもターゲットユーザーとの接点を作っておくとよさそうだよ

2. Googleの検索アルゴリズムの刷新

SGEがGoogle検索ツールの主流となれば、ユーザーの検索行動が変化し、これに伴い従来の検索アルゴリズムも変化することが予想されます。この変化によってGoogleが新たな検索アルゴリズムで評価をする可能性があがあります。

検索アルゴリズムをはじめとしたGoogleの動向に対してアンテナをはっておこう!

3. コンテンツの強化が必須

AIによる情報生成は常に進化しています。これに対抗するには、執筆者の経験・思考が含まれるコラムやインタビューなど、 AIが代替できない「独自性」や「信頼性」、「付加価値」のある魅力的なコンテンツ作成が重要です。

E-E-A-Tがますます重要視される時代になりそうだ

どんな影響にも対応できるよう、常にGoogleの情報にアンテナをはっておこう
Google 検索の仕組み
https://www.google.com/search/howsearchworks/how-search-works/ranking-results/
Google Japan Blog
https://japan.googleblog.com/
How Generative AI will shape the future of Google Search Ads
https://blog.google/products/ads-commerce/google-search-ads-generative-ai/
Google Cloud 公式ブログ
https://cloud.google.com/blog/ja

ところで、広告はどこへ…?

検索広告はページ全体の専用広告枠に表示される仕様になっており、検索結果と広告が明確に区別できるように「スポンサー」と表示されいます。この広告枠は、ユーザーによってSGEスナップショットの上に表示されたり、下に表示されたりしており、Google側でどのに表示させるのが最適かを試験しているようです。
日本におけるSGEの試験運用は2024年2月までとなっておりますので、恐らくこの時期までは今後も色々な試験が行われると思われます。

Bardとは何が違う?

SGEの利用方法

BardとSGEの主な違いは、Bardがチャットボットであるのに対し、SGEは検索エンジンであることです。

それぞれ目的が違うからアウトプットの内容や技術面でも違いがあるみたいだね

人と会話をするために設計されている Bard
人と会話をするために設計されている Bard
特徴
情報量が多く、包括的であるように訓練された会話型AIで、検索エンジンからは独立している
開発元
Google LLC(グーグル)
技術
PaLM 2
アウトプット
テキストベース
情報を検索するために設計されている SGE
情報を検索するために設計されている SGE

特徴
生成AIを使って質問に対する答えを生成する新しい検索エンジンで、検索結果に組み込まれた機能
開発元
Google LLC(グーグル)
技術
PaLM 2MUM
アウトプット
包括的な検索結果

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